三日月ドライブ
バンド名:中村パーキング
今までたくさんの音源をリリースしてきたが、全国流通版のフルアルバムは初。この1枚があれば中村パーキングを十分に聴けるので初めての人にもおすすめしたい。元々、クラウドファンディングでアルバム制作を企画しており見事に実現した。彼らの個性を残したままアレンジの彩る作品になっている。2022年6月4日(土)下北沢MOSAICでのワンマンライブで解散してしまうのが悔やまれる。以下タワレコから一部抜粋「これまでの活動とこれからの展開を掲示するベストな内容となっている。ツインギターの爽快なサウンドを柱に、様々な音楽ジャンルを飲み込んで疾走する楽曲は、刺激的でありながらも、どこか懐かしいセンチメンタリズムに包まれている。叙情派ロックという文脈だけでは括れない、未知なる可能性を秘めて、これからのシーンに旋風を起こすべく、彼らの旅が始まる。」
『三日月ドライブ』
~収録曲~
1. エーテルハロ ←4th e.p.収録
2. 螢火
3. 週末東京(再収録) ←1st Mini Album収録
4. 回想ライダー ←3rd e.p.収録
5. テールランプ
6. トワイライト ←3rd e.p.収録
7. マジック(再収録) ←2nd e.p.収録
8. ミッドナイトブルー
9. パラレルワールド(再収録) ←2nd Mini Album収録
10. セレナーデ
11. サルビア
12. ひぐらし ←2nd e.p.収録
13. サイクルノート ←2nd e.p.収録
半分以上が既曲で過去記事にも書いているので新曲のみを紹介。
「2.螢火」爪痕残すイントロから読めない多彩なフレーズながら安定した曲を奏でる。細かく変化するアレンジにユニークなサウンドがまっすぐに届く。自分らしく生きていけるように繋いで灯せるように。仄かな光でも消えないように。
「5.テールランプ」詞の雰囲気の表現が好き。穏やかなメロディがスゥッと耳に吸い込まれ、ボーカルとコーラスのハーモニーが気持ちいい。汽車、夜光、木枯らし、日暮れから夜明けの刻、そんな情景が脳内に浮かんでくる。なんとなくの感情、惚けた状態、そんなフワフワした感覚が似合うよう。
「8.ミッドナイトブルー」新曲の中でも盛り上がりがあり、ゴリゴリな曲調のインパクトがクセになる。キラキラと誘うような光とそれらを演出する夜、その舞台を楽しむような勢いに惹かれていきそう。聴くと思わずリズムに乗りたくなるような歌とサウンド。
「10.セレナーデ」一般的な意味合いとして恋人の為に窓下などで演奏される楽曲的な。イントロの尖ったギターから、サビのキラキラしたメロディと爽やかでリズミカル。ノリの良さげな歌詞が”回想ライダー”みたいで、中村パーキングらしさを思わせるよう。
「11.サルビア」熱帯の花の名。優しく愛しいスローテンポ曲、丁寧に音色と歌を重ねる。純粋に言葉で伝えることの大切さ、二人で歩んでいけるようにと寄り添っていけるようにと。”君の笑顔が好き”と、胸が苦しくなる程の想い。この上ない純愛。
「テールランプ」MVwww.youtube.com
「ミッドナイトブルー」LIVE MVwww.youtube.com
↓中村パーキングの1st~4th e.p.の記事はこちら↓
線猫日記 雑多記事
これまでに書いた線猫日記の雑多記事をまとめて置いておくので、よかったら眺めてくれたら嬉しい。
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Curtain Call
バンド名:その隙間から
インストバンド。現在はSONOSUKIMAKARAに改名している。インストを聴き慣れてる人も衝撃を感じると思う。変拍子にアグレッシブでいて繊細に鳴らす絶妙な感覚。アートワークのほとんどはドラムの方が担当しており、もはや画伯といえる程のもの。強烈な演奏センスが唯一のものとして記憶に焼きつく。以下プロフィールから抜粋「手数の多い変拍子ドラム、キャッチーで宇宙的なギターにより、独特の世界観を持つ。」
『Curtain Call』
~収録曲~
「踊るGONEHORILLA」程よいテンポで印象的なギターフレーズが鳴らされる。個人的な感覚としてズンズンと奥に進んでいくよう、その中で鮮やかさと華やかさを感じさせる。ゴリゴリな1曲目として先陣を切るような迫力。して、GONEHORILLAの謎が残る。
「カトレア・マキシマ」花の名で南アメリカ大陸原産のランである。花言葉の意味を知ると皮肉チックなメロディがその雰囲気に添っているようにも感じる。繰り返すフレーズの中で少しずつズレてくように変化していく様がClean Of Coreの要素を思い出す。
「ペリシテの巨人の物語」ダビデとゴリアテの戦いにペリシテの名が登場する。バババッと強烈なイントロが思わず気に入ってしまう。ガラッと変わるようなメロディの変化も聴いていて楽しい。巨人と言われるとそのイメージが湧くような壮大な音。
「levol feat.Gacchi」唯一のボーカル入りの楽曲で、他の作品でも見かけない珍しさ。3拍子サウンドのレゲエ軸のラップが特徴的で、踏み出す大切さを強く訴えかけるよう。インストバンドだからこそ鋭角に攻めるのが面白かったりする。
「Memories Sink in the Blood-Orange」何度も聴いた。こういうのを天才で名曲というのだろう。静かな迫力で包んでいき、絶えない音の変化や間、変拍子が複雑に絡み合うように耳に残る。馳せる思いのように沈んでいくような。本当に聴いてもらいたい。
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EDEN
バンド名:Use With Caution
現在はiruneとして活動中。2018年1月放送のフジテレビドラマ「ROAD TO EDEN」主題歌にも起用されている。ライブハウスに行った時に聴いた演奏と、手にした『November call』に惹かれてしまった。いつかの機会にiruneとしてリリースしたアルバムについても書いていけたらな。
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『EDEN』
〜収録曲〜
「EDEN」シンプルに鳴らすテンポの良い控えめなサウンド。光を思わせるようなメロディには哀を含ませるような詞。惨めに生きる現実に”笑ってよ”と繰り返す自虐的で前向きな言葉が残る。決して明るい軌跡ではないはずなのに、心が奮い立たされるような希望を感じる。
「タイトルバックの続きを」入りから掴まれるようなロックなカッコ良さ。まっすぐな歌に勢いのある聴きやすい演奏。泣いた過去に乾いた今が、変化や時の流れを感じさせる残酷さ。大事にしなければいけないものを手放さないように、歩んだ軌跡に背かないように生きていけるように。
「EDEN」MVwww.youtube.com
スイングバイ
バンド名:phonon
雰囲気の近い、繋がりを感じさせる3曲入りの音源。現在は通販で買えるが発売開始頃は会場限定音源だった。phononは割と会場限定盤が多かったので、手に入れやすい全国盤のCDを聴くことが多かった。他のインディーズバンドも通販はなく会場限定のみでしか売っていない音源とかあったので、それが原動力となってライブハウスに赴くこともあったなと思い返す。
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『スイングバイ』
~収録曲~
「スイングバイ」意味としては引力を利用した宇宙機の運動ベクトルを変更する技術のこと。迫力と勢いのあるサウンドにコーラスが時折に爽やかに靡く。誰かの言葉に救われたり、悩んだりしながらも自身を信じる強さ。歌詞には宇宙の要素を散りばめられ、うまく結びつけている。
「かみかくし」繰り返すギターフレーズがじわじわと沁みていく。淡々と歌い鳴らす音の程よい強さが王道でいてクセになる。自分の時は止まったままで、客観視した気持ちも理解してはいても、どうにもならない心のような。”ただ誰かに見つけてほしかった”
「高架下の秘密基地」ドンドコとリズミカルなドラムが印象的で終盤にかけて泣かせにくる。タイトルから直球で懐かしさや郷愁の映像や背景が浮かんでくる。実際に演奏と言葉を聴くと、より鮮明に描かれていくよう。ガラクタだとしても心に残るものがあることが人を支える。
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GOLD DIGGER
代筆記事『GOLD DIGGER』
久々に記事を更新するが、この記事は私の言葉ではない。
許可を得て知人に書いてもらい掲載したものである。
”角松敏生”がそんなに好きなら、何か書いてみる?そうして、この作品について書いてくれた。
また、私自身も角松敏生の音楽を聴いているが熱烈に信仰している程でもない。
~以下、代筆記事~
City popsの名盤『GOLD DIGGER』
角松敏生を知ったアルバム
当日19歳だった私はこの衝撃的なサウンドの虜になりかれこれ30年以上のファンとなる、この時代に打ち込みだのスクラッチだのラップだの、何それ時代の先取りし過ぎでしょ⁉️
ダンサンブルなポップありバラードあり、あの頃唯一ディスコでかかる邦楽だったような、生半可な愛を歌うなら僕はSEX を歌うって言ってたよね。
大人の歌詞に高揚しつつ、角松を聞いてる私って“いい女”って勝手に思ってたし、
ジャケット(今はアートワークって言うのかしら?)の女性のように、ロングヘアーにボディコンの似合う“イケてる女”になりたいと思った。
何しろこのアルバムの角松敏生はセクシーなのだ。
GOLD DIGGERを聞いて都会に憧れ素敵な大人の女性になりたいと願った、19歳の私に影響を与えたのは間違いない。
今聴いても色褪せない、あの頃の情景までも思い出させてしまう名盤。
日々の彼方に
kaiko
ギターボーカルとドラムの印象派2Pバンド。
回顧:過ぎ去った出来事をあれこれ思いかえすこと。
懐古:昔の事をなつかしく思い起こすこと。
バンド名に含まれている意味をなぞるような曲を奏で歌う。今回は今までに収録されていなかった音源だったのでワクワクしていた。既曲のアレンジも好きだが、やはり新曲を聴くのも楽しみである。想像の膨らむアートワークの果てしない景色の際限のなさが好き。
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『日々の彼方に』 2nd digtal single
安定したバランス感のある構成、穏やかに流れるような音色とまっすぐな歌声。kaikoの描く歌詞がバンド名のテーマにしっかりと統一されており、気持ちや背景が色のついたものとして想像されていく。忘れられない想いと残る後悔を切実に綴るよう。望んだとて叶わない現実だとしても、かの日々が存在したことの美しさ。