線猫日記

音楽鑑賞と日常と感情

Vianka

既に解散してしまったバンド。

Viankaに改名する前は「ビアンカは死ぬことにした」というアーティスト名で活動していた。歪に情の深く美しい世界観や、卑屈で偏りのある皮肉るような強烈な歌詞が刺さる。感情や思いが危ないくらいに強い。ここまで捻くれているバンドは他にはなかなかない。以下プロフィールから抜粋「2000年代下北沢ギターロックの雰囲気を醸し出しつつ、日本人独特の和製メロディーラインを乗せることにより、独自の世界観を表現する。海外の音楽の焼き回しではない、ニュースタンダードの『J-Rock』バンド。」

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『白いワルツ / 禁断症状』

「白いワルツ」単調なリズムから始まり、印象的な歪なギターフレーズが耳に残る。シンプルさに惹かれる構成に女性コーラスがいい味を出している。最後にかけてより盛り上がりのある演奏を魅せる。
「禁断症状」カップリング曲だが聴いておきたいクセになるリズミカルな穏やかさがある。淡々とした爽快なシンプルさが心地よく惹かれてしまう。また、実際の禁断症状の心境は食べたいラーメンを食べずにいられないでいたことらしい。


トレーラー映像『白いワルツ / 禁断症状』

www.youtube.comf:id:rvyfcloi57gdjm1:20210531094237j:image

『愛の詩 / 美色』

「愛の詩」MVになっている曲。葬式のような侘しさを感じるくらいの暗めのメロディ。ゆったりと時間が進むように歌い、歌詞に重きを置いているように感じる。サビからの壮大さがこれまでの構成を引きたてるよう。
「美色」はミイロと読むらしい。バンドらしさのある前奏から、それなりのテンポで中毒性のある穏やかさを歌い奏でる。最初から最後まで君のことを延々と歌っており、深い感情だけが流れ続ける。


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『ワゴンセール』
〜収録曲〜
「ヴァニラ」「カラスの声」「愛の詩」「ノーセレクト」「サブカル子ちゃんの恋」「白いワルツ(ワゴンセールVer.)」

シングルとして収録されていた曲の「愛の詩」と「白いワルツ(ワゴンセールVer.)」が収録されており、全体的にバラエティに富んでいる。
「ヴァニラ」Viankaの曲としては正統な歌詞にバンドサウンドを感じる。エグさよりも美しさを表現しているよう。切なさと希望に溢れているような鮮やかさがある。
「カラスの声」リズミカルに弾くフレーズから始まる。ノリのいい軽快なバンドサウンドに、不安でどうしようもない感情がよく表れているような歌詞。現代の若者に刺さる鋭さが最高なのです。
「ノーセレクト」改名前の頃から存在していた曲。それぞれの楽器が駆け抜けるようにかき鳴らす。繰り返す『笑ってくれよ』を自傷気味に表現し、現実の陰りを鋭く出している。
サブカル子ちゃんの恋」タイトルのインパクトよ。穏やかに暖かさを感じるメロディに乗せて、繊細な気持ちを表す。歌詞だけ読むと華やかで切ない恋愛ソングだが、『サブカル子ちゃん』という言葉がつくだけで、一気にViankaの色に印象が変わるのが凄い。


「愛の詩」MV

www.youtube.com

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『片方だけのシンパシー』
〜収録曲〜
カゴメ」「片方だけのシンパシー」「キミノコト」「天空の花嫁

4曲入りの音源。この作品の凄いのはどの曲もシングルタイトルとして発表できるくらいの完成度であること。今はタワレコとかで破格で購入できるので、騙されたと思って手に入れて聴いてみてほしい。
カゴメ」詞も音も和を感じさせ、疾走するサウンドとして強く表現する。『かごめかごめ〜』という日本的なフレーズが神秘さを感じさせる。本人は銀魂のopに使われたいと書いているが、実際見てみたさがある。
「片方だけのシンパシー」内容を最大限に表現したMVを是非観て聴いてほしい。ギターフレーズを中心とした爽快なサウンドに、女性視点の繊細な心情の詞が刺さるよう。『ララララ〜』のコーラスもハッピーエンドとはいかない結末も全てが美しい。
「キミノコト」キラーチューンとして鋭く激しく鳴らしていく。『いつもそのままでいいなんて思うけど』のサビのフレーズが口ずさんでしまいたくなるくらいのサウンド
天空の花嫁」最後は程よいテンポの曲。それでも、壮大に鳴らされるサウンドとリズミカルな歌が個性を出している。僕と君の関係、感情、思想といった要素が複雑に絡み合うよう。

カゴメ」MV

www.youtube.com

「片方だけのシンパシー」MV

www.youtube.com

 

ヘイトスピーチ

ビアンカの最後の音源。バッジを購入すると真ん中のQRコードから「ヘイトスピーチ」をダウンロードできる仕様。いつの間にかYouTubeにあがっていたMVが消されていた。はじくようなメロディに歌詞がバンドマンとしての本音をこれでもかというくらい書き殴っており、Viankaらしさをエグいくらいに表現している。

↓ボーカルの方のブログ。制作した曲の簡単な紹介が載っているのでよければ↓

blog.livedoor.jp


改名前の「ビアンカは死ぬことにした」の名義で出してた音源もそのうち書きたい。