羊の群れは笑わない
バンド名:羊の群れは笑わない
オルタナティブロックバンド。現在はバンド活動は終了しているが音源は配信で聴くことが可能。言葉の1つ1つが重く荒廃したような独特な灰色の世界観を描く。ギターロックを中心にカオス感のあるダークサウンドを構成し、曲の雰囲気に合ったハスキーな声が特徴的。モクメノキと同じベースボーカルでかっこいいのである。
ボーカルの方は現在、個人でキタニタツヤという名義で多彩に活動している。
tatsuyakitani.com
「藍に依る」MV
『刺す』 1st EP
~収録曲~
「藍に依る」クセのある歌い方にゴリゴリの演奏が特徴的でインディーズ感を強く感じる。聴くと感じてしまう惹きつけられる魅力がある。複雑に鋭い歌詞がより独特な雰囲気を出している。
「novem」前奏のリズミカルなメロディから惹きこまれる。声、音のアレンジが中華街のような怪な雰囲気を醸し出すよう。ベースの存在感が強く変拍子も含め全体的に個性色の強い曲。
「affizieren」意味を調べると歌詞の言葉もより刺さる。季節の変化にのせながら、治らないまま過ぎゆく時間を憂い奏でるよう。どこか哀愁さを感じる歌い方にゆったりとした不穏さを感じるメロディ。
『刺す』トレーラー映像
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『告解』 2nd EP
~収録曲~
「Luther」2分もない勢いよく鳴らすバンドサウンド。抽象的に灰色な世界を演奏や言葉で表現するよう。『息をするたびに灰色に染まる』のフレーズが効く。次曲に続くようにテンポよく終える。
「レシュノの箱庭に於ける、」レシュノはポーランド中部に位置する街として存在する地名。ドラムの存在感が強くリズミカルにかき鳴らす構成。音やフレーズがはっきりしているので分かりやすさがある。どことなくthe cabsの雰囲気を感じる。
「雨を待っていた」序盤のジャカジャカとかき鳴らすギターにリズム隊の演奏が降水を感じるさせるよう。収録曲の中だと軽快さのあるフレーズが繰り返し流れ、穏やかなテンポで聴きやすさがある。
「a coelacanth」シーラカンス。サビのフレーズが3rd EPのOpheliaという曲と重なるところがあるので聴き比べてほしい。絶妙に緩やかなサウンドで不規則感のある構成。ささやかなコーラスの存在が大きい。
「海があなたの中へ落ちたら」歌を中心とした柔らかで歪のあるメロディを奏でる。残響させるような音色と緩やかなテンポの曲、全体的に聴くとシンプルさを感じるのが特徴的かもしれない。
『告解』トレーラー映像
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『落陽』 3rd EP
~収録曲~
「包まれた街」壮大なバンドサウンドを展開し、歌詞の灰色に表現する世界観が際立たせている。光などない暗色系の空間に吸い込まれていくよう。純粋なサウンドとしてはボリュームがあり聴きごたえがある。
「海鳴りの夜明け」出だしのドラムの勢いから始まり、メロディやリズムの変拍子構成が惑わせるよう。聴いていて爽快感があるが、重い陰りを思わせる詞。『そこから染み出した明日を』のフレーズで僅かに救いがあるよう。
「送電塔は夜の街に」全体的に強くダークサウンドを感じさせる構成。メロディから想像してしまう夜半過ぎの時間帯。絶望を表現したような世界を、気持ちのよいサウンドとして表現しているのだからすごい。
「鳥居の下で待ち合わせ」収録曲の中だとリズミカルでメロディチックなサウンドを演奏する。儚い思い出を振り返るように哀愁さを夏の終わりのシーンを描いている。まだ明るさを感じられる曲。
「Ophelia」真髄。この曲のインパクトがとにかく凄い。a coelacanthで緩やかなフレーズとして奏でられている。サビに惹きこまれる強烈なアンサンブルと、そこに向けて僅かに盛り上がっていくような高揚感がリピートしてしまう。終盤の儚さのある迫力に何も言えなくなる。
「Ophelia」
↓他の紹介記事↓
3作品とも配信で購入できるので、ぜひ聴いてほしい。