いつまでも眠っていたい
バンド名：いつまでも眠っていたい
RainDropのボーカルの方が改名して組んだバンド。いくつか配信で音源を出しているが、2022年3月4日に解散ライブが決まってしまった。ひっそりと購入して聴いていたので残念な気持ちがある。メロディ、詞、声、全てにセンスしかない。後悔はさせないので人知れず消えてしまう前に購入して聴いてほしい。個人的なオススメは「Bubble, Blue, Bed」。
また、この記事を書いている同日に偶然、配信アルバムのリリースを知ったので歓喜した。知名度の低さが勿体ないくらいの完成度の高さだけに多くの人に知ってほしいと願ってしまう。
時系列で音源の紹介。
『ラトリア/ユイル』
～収録曲～
「ラトリア」教会用語で礼拝のような意味合いがあり歌詞との繋がりもある。リズミカルでノリのよい構成で願いや祈り、世界の残酷さをテーマにしているような。どれほど手を合わせても、どれどけ心の底から信じていても変わらないこの世に見切りを。”哀しき世界と抱けるのが唯一この僕の存在証明”と最後に残しているのが切ない。
「ユイル」フランス語として存在するが、詞とはあまり関係ない気はする。さりげに煌めく音色にシンプルなフレーズを弾き鳴らす。どこかフワッとした演奏が印象的で心地よく耳に入ってくる。"貴方に出会えた事"それが僕の理由で、貴方にはそれだけではないという現実。滄溟、捺染、菩提といった鮮やかに深い表現が永遠のものとして示唆しているような。
「ラトリア」MVwww.youtube.com「ユイル」MVwww.youtube.com
『ラストノート』
～収録曲～
「ラストノート」白く華やかにスッと流れるような聴きやすいサウンド、彩るピアノの音色と優しいバンドサウンドが仄かなよう。"今が今で終わらないように"この言葉が好きで心に残る。ラストの歌詞に映像が脳内に浮かんできて、心情も同じように湧いてきて詞のままに不意に涙腺が緩んでしまう。
「Bubble, Blue, Bed」イントロの柔らかい音色が心を諦めさせて緩めてくれるような。詞の想いに相応しい作品のエンドロールに流したい衝動。繰り返すその音が単純なようで深く記憶に残る。甘い刻む歌声が泡のように弾け消えそうな心情を。どうしようもないフワフワとした感覚だけが残る。
「ラストノート」MVwww.youtube.com
『Euphoria』
～収録曲～
「Euphoria」ユーフォリア、意味は強い幸福感といったもの。ゴリゴリ気味なロックサウンドに、棘のついた言葉が刺すような鋭さ。幕引きが幸福だと思えてしまえるような現実に、それでも叫び続ける意志に魅せられる歌。生き方として潔く美しいなとさえ思えてしまう。
「Euphoria」MVwww.youtube.com
『それでも奇跡を捨てきれない』
～収録曲～
「枯花」繊細で純粋な言葉がピアノやストリングスの美しい音色と共にバラードが突き刺さる。望んでない来るべき結末、途切れない想い、どうにもならない感情、ただ現実を受け入れながら哀愁を帯びる。
「Silk」ロックバンドの疾走感が、サビの王道のような爽やかさが、絶妙なラインでどこか懐かしく心を奪い去っていく。"描ききれない話を"した先の君との結末がどうあろうとも、ただただ刻は流れていくだけの。
「ニト」激しくかき鳴らすイントロから期待をしてしまう、踊り狂ってしまいたくなるような衝動が襲ってくるえげつないフレーズ。その鋭さが魅力を溢れ出し"このままハイになって"と繰り返す言葉の高揚に溺れる。
「Floor」チャイナ感のイントロの印象が凄まじく演奏内でのその音のアレンジが、より全体的にダンシング感とダイナミックさを鳴り響かせている。サビのリズミカルな韻に思いの強さが表れているような。
「GLUE」糊。ややテクノ感を感じる新鮮さがあり、唸りと重さのあるサウンドを中心にアレンジの要素が大きく楽しい。緩い勾配のようなサビの歌い方が好きでクセになる。救いのない、声の届かない現実よ。
「凪」程よいテンポに変拍子に迫力ある構成に、伸びのある時折のハイトーンの声に胸を打たれる。少し普遍的で美しく輝くようなメロディに、自然と感情を織り綴る詞に意識が想像へと移る。
「それでも奇跡を捨てきれない」凛とした空気とキラキラの音色から始まり、ポツリポツリと奏で歌う震える静寂が流れていく。奇跡を祈り、差し伸べるその手を願うように、サビでの圧倒されるような気持ちと迫力に呑まれる。
「それでも奇跡を捨てきれない」MVwww.youtube.com
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