線猫日記

音楽鑑賞と日常と感情

通りに雨は降りしきり

polly

収録曲のいくつかは後の作品にも再収録されている。廃盤なのがもったいないくらいの完成度。収録曲の視聴は出来ないが、他の音源をYouTubeから聴けるので流してみてほしい。この頃の音源はまだバンドらしさが残っており、段々と色のついたポスト感のあるメロディを奏でている。クリアな声と音色がSept.やCatfood Salmonsの雰囲気と近さがある。

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『通りに雨は降りしきり』
~収録曲~
「雨の魔法が解けるまで」後の作品にも再収録されているが、違いを聴き比べるのも楽しい。軽やかなバンドサウンドにリズミカルな構成だが、現実の陰りが見え隠れするよう。口ずさむ程の『雨の魔法が解けるまで』が印象的。
「ボクの為だけのワルツ」後の作品にも再収録されている。そのままワルツような優雅なメロディがどこか倦怠感。自分は誰で貴方は誰で、生も死もどうでもいいと感じつつ曖昧に息を続けていく日々。
「ふつうのせいかつ」後の作品にも再収録されているが、テンポや音色が全く異なり聴き比べがオススメ。ゆったりと時が流れるように進み、ふつうのせいかつに夢を抱き求める。後半から徐々にBPMが僅かに変わりゆく。
「hello good bye」後の作品にも再収録されている。孤独を感じるような寂しさの音色。青空や思い出は変わらないままでも、感情は変わることがあり、君を呼ぶ私の気持ちは変わらない。ハローグッバイが静かに響く。
「シシィ」人名として存在する。せりあげるような歌に唸るようなフレーズの中、ベースラインがさりげに響かせる。心の脆さに、受け止めて声を届けてあげれる、そんな人達がいるだけで。
「雨降り路地」ポツリポツリと雨が降るように言葉を紡ぎスロウに進んでいく。優しい歌い方が寄り添うようで涙と心の行方を想像し、穏やかな情景が浮かんでくる。
ソーダの香りと夏の夜」曲名に合うような爽やかなイントロから始まり、淡々としたリズム隊に、合いの手のようなギターが光る。夏という抽象的なものの表現をしているよう。
「アマツブニアカ」一定のリズムを繰り返し鳴らす中で、『君は通り雨』と歌うサビがクセになり脳内再生が捗る。途中からテンポと曲調が一転し先の読めない楽しさがある。
「知らない」後の作品にも再収録されているが、別物という程の違いがある。バラード感のあるサウンドに透明な声を重ねる。アテのない旅をするように自然も明日も、知らない未来が待つのみ。