線猫日記

音楽鑑賞と日常と感情

shepherd (album)


バンド名:shepherd

RO69JACK 2011優勝アーティスト。2枚のデモアルバムをリリース後に、メジャーアルバムを4つ出している。当時、次の作品をリリースする間際でボーカルの方が亡くなってしまった。今も生きていたらどんな音楽を残してくれただろうかと今でも思ってしまう。今も忘れないでほしいと思い、ブログに綴り残していく。

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rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

時系列順に紹介

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『部屋と二人』 1st mini album
~収録曲~
リビング:君の『2LDKじゃ足りないね 私たちの未来図は』と唐突な始まり、あなたの望む僕でいることに互いが察している。考えすぎる未来への不安と今のままの幸せが複雑な気持ちとして、ソファでもたれる姿が思い浮かんでくる。演奏もリビングらしい見慣れた景色のような感覚。

irony:皮肉。寄り添うような優しいメロディが流れる中、どこか不器用で、ありのままに、空虚や距離感、はっきりと言えないあなたとの生活の記号のようなアイロニー。それでも"It would be so nice day"いい日になるといいね。

primrose:サクラソウ。デモアルバムにも収録されている再録音源で聴き比べる程の違いがあるのがいい。区切るような構成でクセになるサウンド。交互の視点と想いが愛おしい。

分別:ゴミ箱のように心の分別も簡単に出来てしまえば傷つくこともないのに。誰かの不幸も、冷たい人だと思われても、離れたとしても。滲むような声に淡々とした演奏とかき鳴らすサウンドが印象に残る。

君のその手を満たすのは:ゆっくりと丁寧に奏で声を乗せる。その穏やかさの淋しさがメロディからも伝わってくる。満たすことの意味や価値は君のための。寄り添う気持ちがいつか芽吹くように。

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kabindiary.jugem.jp

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『彗星の仕組み』 2nd mini album
~収録曲~
彗星のしくみ:shepherdを知ったきっかけで何回も流していた。MVでは、幼い少年が出演している独特な雰囲気の映像で掴ませない構成が好き。静かで幻想的な夜を思わせるメロディ、複雑でもなくアレンジが多彩でもなく構成と音色で魅せる。

virgin in clinic:デモアルバムにも収録されている採録音源、比較すると声も音がくっきりと感じる。

nameless silhouette:明るさのある華やかさが湖畔を思い浮かべてしまうイメージ。程よいテンポにフワッとした音色、コーラスの奥ゆかしさが気持ちがいい。君に伝えたいことがあれど、届けられないまま過ぎる日々。互いのシルエットに色彩が付く日が来ればいいな。

舞姫:タイトルで森鴎外の小説を思い出す。それを、どこか思わせる内容を優しいメロディに乗せて描いてるようにも感じる。言葉選びが秀逸で丁寧で残酷に綴るも、はっきりと書かない詞が刺さる。shepherdで一番、重い気がする。

アマレット:アーモンドのような香りを持つリキュールの名の意味を持つ。溶け合えない二人の情景が美しく切ない。”貴方は盲目の蝶で 私は色のない花で”このフレーズがどうしても好きになってしまう。いつか、なにもかも愛せるようになれるまで。

無敵のスーパーヒーロー:リズミカルなドラムが主役なくらいの存在感。思わず口ずさみたくなるような繊細な感情を含めた歌。スーパーヒーローのように弱さを見せない強さに憧れる僕、ヒーローとしての自身の存在価値に不安定になる。捉え方によって解釈が少し異なりそうな詞。個人的にshepherdの中で一番聴いている曲。

「彗星のしくみ」MVwww.youtube.com

アマレットwww.youtube.com

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『PuZzle pUzZLe puzzlE』 3rd mini album
以下、HMVから抜粋「線が細く雄弁なギター・プレイを中心に、幻想的で豊かな音像を描き出すバンド・サウンドの表現力が秀逸。ハイ・トーンでふくよかなふくらみをもつヴォーカルの存在感もあり」
~収録曲~
溜息の向こうで:今までのと比較するとややポップで明るい雰囲気が出ている。全体的に歌詞の繊細さは変わらないまま音の幅が広がっているような印象。その溜息の結末は既に出ているのに希望が滲む。冒頭の"I was…"が愛は、と聞こえてしまうのは意図的なのかなと思ってしまう。

Puzzle game:この作品の代名詞的な曲。パズルの要素で紡いだ言葉が自身の存在意義を問うように。捨てられない感情、そんな日々を、現実をゲームのように楽しんでいくような。MVのパズル要素は視覚的に楽しませてくれる。

Crossword Symphony:リズミカルな構成に深みのある音色が愛おしく、変わらない優しい声が寄り添うよう。楽しさを感じるリズムとクロスワードというパズル要素に、共鳴するという美しい曲名が素敵。

Edelweiss, edelweiss:エーデルワイス、小学生の音楽の授業で原曲を歌わされた記憶がある。shepherdの最高の形として静と動を使いこなしている。雪の舞台と暖かい心が対比の様で、全ての表現に感動を覚えてしまう程の。

虹のない空:コンピレーションアルバムにも収録されている曲。爽やかに奏でるギターの音色から、空のような澄みわたる青さのようなメロディ。シンプルでいてカラッとした間奏が気持ちいい。大人になった先も澄んだままで笑えたら。

Happy endroll:弾き語りをメインとした曲でポロポロと奏でる音に静かな歌を乗せる。どんな歩みだとしても二人のハッピーエンドが迎えられたらいいな、と。どんな形だとしても幸せを迎えられるように。

「Puzzle game」MVwww.youtube.com

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『Mirror』 1st album
~収録曲~
来週:これまでの作品を意識すると、この曲はバンドらしさをプッシュしてるように感じる。一つ一つの音がはっきりと聴こえ、勢いのあるインパクトが初曲にして印象を残す。現実の結果に、心の奥底の理想が隠せない切なさを大きく歌う。

幸せの蒼い海で:キラキラとしたタイトルとメロディが、そのイメージを脳内に浮かばせてくるよう。そんな理想の幸せや世界も、手にした途端にないものねだりとなって退屈に変わってしまう。私たちの心など実に楽しくてつまらないもの。

patchwork doll:ツギハギだらけの人形。個人的に好きな曲で静かに透き通る声が、柔らかく穿つ詞を纏い突き刺すよう。容赦なく心を締め付けるような情景、メロディ、想い。どんな表現も見え方も、真実であって、嘘であって、偽物であって。

デコレイト:おかしの国のマーチのような美味しそうな世界観を演奏するような。カラフルに彩り、味付けするような楽しさがワクワクとさせるよう。デザートも日常も飽きないように飾り付けてしまおう。曰く、デコレーションポップだそう。

meteor:ゴリゴリのベースからの入りのインパクトはデモアルバム曲の「Isolation task」と同じくらいのもの。隕石が落ちて不満のある景色がなくなっても、衝突後の姿に満足するわけもない。分かりやすく伝える言葉だからこそ、自覚を忘れないようにしたい。

little anniversary:小さな記念日。どんな日も誰かにとっては特別な日、ささやかな気持ちを奏でるような優しく光るサウンド。君と笑いあえる、今を大切に特別な日を寄り添えるように、その幸せが続くように祈りたくなる。

Roller coaster:デモアルバムにも収録されている採録音源。個人的な感覚でデモアルバムが夏なら、このアルバムでは冬のように思える。蝉の鳴き声とひんやりとしたピアノの音色が対比しているような。同じ詞で浮かぶ背景が変わるのが面白く感じる。

透明なリボンが解けるまで:ピアノの音色を中心にかきたてる弾むようなメロディ。君が笑うから僕も嬉しいと心から思えるように、誰かの為も自分の為も大切で、いつか描くための心からの意味を見いだせたら。透明はたぶんそういう事なのかな、とか。

Mirror:キラキラとshepherdのシューゲイザー要素が色濃く出ているサウンド。壮大で美しく儚く、コーラスやストリングスなど様々な音がクリアな色となって溶けていく。アイデンティティや自問自答、自分という複雑なものについて。

ドアの魔法:ギターの音色がおとぎの世界ように感じさせる。ささやかな祈りや思いのような歌のささやかな切なさを。最後の日の詞の儚さに救いを感じて、現実に戻ると魔法などなくて憂いが残る。

「Mirror」MVwww.youtube.com

 『Mirror』についてのインタビュー記事

rooftop1976.com