雨の中、光溢れて
バンド名:剥製の空
2019/08/04 池袋手刀でのレコ発企画『追憶の夏の日に』の演奏を聴きに行き購入。どこか自然の神秘や死生観を思わせるような意味深な詞に、シューゲイザーやポストロック、和を漂わせる粛々とした音色。インストの雰囲気のメロディに乗せて淡白で郷愁的な歌声が重なる。曲名が小説の章ごとのタイトルのようで意味を探りたくなる。
〜収録曲〜
「雨の中、光溢れて」どこか神秘的で空虚な1分と少しのインストメロディ。聴くだけでアルバムの全体的な雰囲気が掴めそうな音色。
「耐えられるだけの雨量で」後に配信でリアレンジver.としてリリースされている。どっしりと構えるような演奏が耳に残る。激しく雨の降る中、心が塞ぎ込んで叩きつけられる飛沫のように整理できないまま、そんなような。
「空と海の交わるところ」長いイントロの寂しさが心に沁みてくるようで、言葉そのままに澄んだ空と海と地平線が浮かんでくる。島の歴史に残された伝承のような言葉に淡々と無機質な真実を表すよう。
「街を見下ろすと、そこは一面の」残っているのは空白、なにもない。自分が今まで過ごしてきた軌跡や生活がなかったことにしたいくらいの。取り繕うこともなくサラサラと消えていってしまう。
「飽きた生活、息が続くまで」ぼんやりと時が過ぎるような歌詞に浮遊した音色。シューゲイザーの要素の強い、鳴らし続ける音色が頭から離れなくなる。何を考えながら、変わらない日々や自然を眺めるのだろうか。息が止まるまで続いていく現実。
「終焉の夏の日に」夏の終わりの物寂しさを奏でるような印象。心に届くのを信じて手紙に込めた想いを残しておくように綴るだけの。自然と五感が朧げな空間や境目の中で巡るように流れる感覚。
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