線猫日記

音楽鑑賞と日常と感情

Clean Of Core

現在は活動していない3人組のインストバンド

クリーンオブコア。そこまで知名度はないかもしれないが、インストが好きな人は知っていて損はない。これまでにアルバム2枚とシングル2枚をリリースしている。Twitterやブログで3rdアルバムの制作を視野に入れているようなことが呟かれていたが、結局出ることはなかった。代わりに先行シングルが2枚リリースされている。長い単調なフレーズが流れ少しずつ変化していくような構成で一曲当たりの尺が長い。変拍子になったり音が突然に変化したりするので飽きるようで飽きない不思議な感覚。定型ではない不規則な音がクセになってしまう。以下indiesmusicから一部抜粋インストゥルメンタルというスタイルをとりながらも、そこにエモーショナルな要素を吹きこみ、一音に集中しながらタイトかつハードな音を掻き鳴らしたたみ掛けるプログレッシブな展開は圧倒的である。そして緻密な構成の中に時折みせる叙情的な旋律は彼等が“創造”する世界を更に拡大させる。」メンバーの3人のそれぞれの担当が【G&Key:Sunao Takeda、Bass&Sy:Kenta Kato、Dr:Teruhito Takano】なのでギターとキーボード、ベースとシンセサイザーは両立できないためどちらかの音が鳴っているときはどちらかがお休みのスタイル。

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『Spectacle』
〜収録曲〜
「Pipe Line」「Navigation And Storm」「A Sad Look」「Shift」「Nocturne」「Time Wave」

クリーンオブコアの最初の6曲入りの音源。ギター、ベース、ドラムそれぞれに濃い色のダークな音を奏でる。

1曲目の「Pipe Line」は入り組むように電子パイプオルガンの音が鳴り、緩急や強弱が不規則に構成されている。曲名もpipe organからとってつけられている。

「Navigation And Storm」アルバムで一番長い演奏。MVから船上と嵐のイメージ、確かにそれっぽい音を奏でているなと感じる。とにかくかき鳴らしているダーク感のある演奏が続く。

「A Sad Look」ゆったりとしたドラムからはじまるが、壮大で迫力のあるダークミュージック。じっくり聴くと細かい違いやアレンジに惹きこまれてしまう。

「Shift」繰り返されるフレーズがクセになる。そこに少しずつ変化が起きているのを感じるのが聴いていて楽しい。アルバムのなかではまだ明るさとノリがあるほう。

「Nocturne」唯一、3分もない短い曲。単純に繰り返すフレーズが続いていくが僅かに変わっていく。微かに聴こえる電子音の存在が意外と大きかったりする。

「Time Wave」鋭く意地の悪いギターが奏でるゴリゴリのインスト。メロディの変化も大きく聴いていて落ち着く暇がない。長く伸び続ける鍵盤のパートもなかなかに印象に残る。

「Navigation And Storm」PV

www.youtube.com

『Spectacle』インタビュー記事

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『Paradox』
〜収録曲〜
「Orbit」「Innocent war」「Diffusion」「neo space」「trigger」「Not emptiness」「Awakeing」

アートなジャケットが特徴的な7曲入り音源。前作と違うのは鍵盤の音が組み込まれており、ややポップでダークな雰囲気を感じさせる。尺が長いのは相変わらず。

最初の「Orbit」はMVにもなっているインパクトのある代表曲。前半にノリのあるバンド演奏が続いてから、鍵盤の音が中盤過ぎたあたりから活躍し一気に雰囲気が変わる。テンポもそれなりに早く、急いでいるような弾き方をする。この曲だけでも聴いてみる価値はある。

「Innocent war」鍵盤の音がだいぶ目立つ曲で動と静の差が激しい。美しさと荒々しさが混在しているような。構成の変化が目立ち、後半のフレーズに虚無感を感じる。

「Diffusion」ドラムの静かなリズミカルな出だしに少しずつ音が重なり比較的穏やかに進行していく。そのまま徐々に穏やかなまま盛り上がっていく。序盤の雰囲気と違い、後半から勢いがついた音を奏でるようになる。

「neo space」独特でリズミカルなベースフレーズが特徴的。割と長く同じリズムが続いていき、後半に鍵盤が入ってくる。ゴリゴリとテクノのカオスチックな構成が印象的。

「trigger」ゴリゴリ感が強い。他の曲に比べると突出した構成や音はない。時折、小さく何か叫んでいるような声が聞こえるくらい。純粋にダーク感が強いサウンドを鳴らし続ける。

「Not emptiness」寂しい出だしだが、少しずつ音が変化していき徐々にアグレッシブになっていく。穏やかでもないが激しくもないので、比較的落ち着いて聴ける。

「Awakeing」はじめの雰囲気から空気が重い。それを維持したまま激しくかき鳴らす演奏が続いていく。特徴があまりないのが特徴かもしれない。5曲目と雰囲気は似ている。

「Orbit」PV

www.youtube.com

『Paradox』レビューサイト

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『Tetra/Flicker

2曲入りの1つ目の白シングル。アルバムの時よりも遥かに音の幅が広がっている。

「Tetra」は鍵盤の木琴のような音が一定のリズムで鳴り続ける。それに合わせていろんな音が変化しつつ流れていく。クセになるメロディラインが特徴的。YouTubeからも聴けるのでぜひ聴いてほしい。

Flicker」出だしの雰囲気とは裏腹に一気にかき鳴らすゴリゴリのギターが印象的。そのままギターメインのフレーズが形を変えながら奏でられていく。洗練されたアグレッシブさがある。

「Tetra」PV

www.youtube.comf:id:rvyfcloi57gdjm1:20210515134554j:image

『Drama/Nameless circus』

2曲入りの2つ目の黒シングル。鍵盤の音が積極的に組み込まれている。

「Drama」幾何学的な音を構成し特に鍵盤の要素が強く、バンドの音もその雰囲気に合わせている。中盤あたりから鍵盤メインのダークな音が広がる。こういう新鮮な構成に挑戦していってるのが好き。

「Nameless circus」ギター、鍵盤のフレーズが強いがベースやドラムも目立つ曲。それぞれの音が力強くなかなか迫力のある演奏をする。ギター、キーボード、ベース、シンセ、交互に変化していく音も聴いていて楽しませてくれる。

更新はされてないけどバンドのブログも残っていたのでよければ。

cleanofcore.jugem.jp


アルバムの方は手に入るがシングルの方は入手困難なのが残念。