線猫日記

音楽鑑賞と日常と感情

視線

Anyというアーティスト。現在はthe sea falls asleepに改名して活動している。

 

全員が1989年生まれの3ピース・バンド。まず、はっきり言ってしまうとAnyが前半あたりにリリースした音源はいまいちパッとしない。それからして「エヴリィ」や「サイレン」のような印象に残る曲を出すようになった。そして、Anyとして最後にリリースした『視線』これがヤバイ。一気に演奏の幅が広がりアレンジのレベルが高くなったように思う、初期の音源と比べると別物すぎる。ジャズ、メロウ、ピアノの雰囲気が好きな人はこの音源だけでも聴いてほしさはある。以下、タワレコから一部抜粋「人の生き方、人の愛、人と人との関係性など、日常というドラマを俯瞰し、切り取る鋭い"視線"。メロウなスライドとオルガンが印象的な"太陽と月のように"のほか、ソウルっぽくハネたリズムの爽やかなポップ・チューンも。聴きやすさに加え、持ち味の内省的でダークな歌詞との対比もより鮮やかになった。」プロデューサーはHICKSVILLEの木暮晋也、ミックス&マスタリングは葛西敏彦。

 

「UNDO」PV

www.youtube.com

 

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『視線』
〜収録曲〜
「太陽と月のように」「STRANGER」「UNDO」「目眩」「気配」「素敵」「風が吹けば」

 

「太陽と月のように」アルバムの中だと比較的にシンプルさがある、ゆったりと落ち着きのある構成。音が少し昔のミュージックを思い出させる。時間が永遠のように感じてしまうような音と詞が紡ぐ。

「STRANGER」コーラスからはじまりアコースティックの音色とともに疾走感のあるテンポで流れる。盛り上がるサビや後半にリズムが変わっていくのが聴いていて飽きさせない。セピア色のイメージが浮かんでくる。

「UNDO」MVになっている曲。音も詞も妖艶で小説のような乱れた愛の雰囲気を感じさせる。単調なリズムとフレーズのままに緩やかに奏でられる中毒性の強い曲。

「目眩」優しいイントロから伝わる安らぎ感。緩やかに奏でるピアノやギターの音色を中心に穏やかな空間を作り出す。「眩暈のする日差しの中で 胸のいたみ 透かしてみた」の甘く歌うフレーズに溶けてしまいそう。

「気配」最初の歪んだギターのインパクトが強い、多くはないがひねくれているように鳴らす音が際立つ。深く考えずに聴いてしまいたいソレがある。

「素敵」爽快が溢れ出している。派手に鳴らすそれぞれの楽器が気持ちいい。サビの「ああなんて素敵な なんて素敵な」がもうクセになる。

「風が吹けば」オルガンのように鳴らす音と構成が童話のはじまりのよう。間奏がジャズのソレを彷彿させ、坂道のアポロンの映画を思い出す。静けさのある重い空気感があるが、まったく暗い歌詞ではない。

 

 ↓ボーカルの方のインタビュー記事↓

tote-music.com

 

ジャケットデザインの顔はボーカルの方の写真を元にしたものらしい。