caroline rocks
caroline rocks (キャロラインロックス)
2012年に解散。CDは4枚のデモ音源と3枚のアルバムをリリース。
ライブハウスで聴きたかったが、その前に解散してしまった。
当時YouTubeでパラレルという曲を聴き、ハマりにハマった。伸びのあるハイトーンボーカルと冷たく鋭く響かせる音色が特徴のバンドである。
まずは最初に代表曲のPVを。www.youtube.com
時系列から順に紹介していきたいと思う。
『潮騒の足跡』1st DEMO。
〜収録曲〜
「潮騒の足跡」「混沌迷路」「Counter」
「潮騒の足跡」歌詞がキラキラしており、『水の粒子は透明で無垢』『光の奥のまぼろしの中』『彼の記憶と潮騒の中 絡まってるみたい』といったワードが出てくる。曲もTHE初期音源って感じで新鮮で聴いてて楽しい。ジャケットに記載されている歌詞の後半部分が黒い波の絵とかぶってしまって全く読めないのである。
「混沌迷路」はインスト曲で38秒くらいで終わる。だが、濃厚な38秒で曲が攻めている。混沌迷路と言われるとそういう雰囲気の曲だなとなんとなく納得してしまう。混沌迷路という単語を理解していない私が何を納得するのだ、もう感覚で聴いてしまっていい曲だろう。
「Counter」勢いの曲である。初めの歌詞の3分の2を早口で歌い上げ気持ちよさを感じる。テンポは早いが音も歌詞も陰がある。最後の叫ぶように歌い上げるカウンターアタックが爽快である。
『マボロシティー』2nd DEMO。
〜収録曲〜
「instorlmental」「マボロシティー」「錯覚ドラマチック」
「instorlmental」インスト曲からはじまり、気怠い感じのゆったりとした雰囲気から、後半は少しテンポがあがり中途半端な感じに曲が終える感覚。
「マボロシティー」単調な感じだがギターの音が目立っている。あまり特徴がないのが特徴かもしれない。現実から逃避するような歌詞に『夢の世界へ連れて行ってくれ』とか、1stアルバムにつながるとこがあるのかなと感じる。
「錯覚ドラマチック」はゴッリゴリのベースから始まり、1stアルバムの方にも収録。しかし、デモとで全く音のつくりが違うため聴き比べが楽しめる。こっちの方がドラムの音が淡泊な感じがする。
『眠りの森』3rd DEMO。
〜収録曲〜
「眠りの森」「square」「midnight terminal」
タイトルにもなっている「眠りの森」から始まる。ゆったりと伸びのある曲調だが薄暗い中での激しさもあり、掴みどころの分かりにくさがある。ギターの雰囲気は3曲目とよく似ており、ボーカルの力強い伸びるような歌声が反響する。
「square」はインスト曲で1stアルバムにも収録。しかし、デモとアルバムで別物である。インストのみで3分半もあり聴きごたえがある。デモの方が比較的ドラムの音がはっきりしてる気がする。
「midnight terminal」これが化け物である。この曲だけで7分以上あり異色を放っている。デモ音源でしか出していないのがもったいなさすぎるが、YouTubeで検索すれば聴ける。ディレイがかった鋭く切れ味のあるギターが真夜中と喪失感を感じさせる。ダークアンサンブルって表現していいのか分からないけどそんなイメージ。
『白いカーディガンと頭痛』
1stアルバム。テーマは夢の世界。全国流通で出した初のCDである。なぜか唯一、配信でも聴くことができる。全体を聴くとテーマに合わせた曲調だなと感じる。
「白いカーディガンと頭痛」タイトルにもなっているこの曲は前半のスローペースとは打って変わり、後半の駆け抜ける勢いが対照的。歌詞は短く前半が淡々とした言葉と単語で後半が一気に感情を歌い上げている。白い空気、自転車、絵の具、マフラーといった単語で聴き手の想像が膨らんでいく。
「白昼夢」PVになっている曲。疾走感があり後半がどんどん盛り上がっていき、あっという間に聴き終わってしまう。歌詞を読まないと聴き取りにくい歌い方をしている。高速ドラムのところも聴きどころである。
「錯覚ドラマチック」空気系10代、この頃は空気系という言葉が流行っていたのかは忘れた。曲の勢いとは裏腹に現実感のないふわふわしたような歌詞がおもしろい。
「square」唯一のインスト曲。相変わらずギターが尖っており激しい。ベース、ドラムのそれぞれの音も聴きごたえがある。
「0℃」繰り返す『レイドシー』の言葉とギターのフレーズが特徴。曲名、歌詞、音といい、淡々としながらも轟く冷えきった世界観を想像させられる。
「夢の中の君」始めから終わりまでゆったりとした曲調で流れる。スローバラードの雰囲気があり、夢をイメージして作られているのかもしれない。聴くと大体、脳内イメージに白い霧が出てくる。
下記のサイトの紹介記事もよければ。
〜収録曲〜
白い空気とカーディガンと頭痛
白昼夢
錯覚ドラマチック
square
0℃
夢の中の君
公式記事:
『parallel.』
2ndアルバム。テーマは街、現在。caroline rocksの中でも王道音源だと感じている。caroline rocksの雰囲気とロックバンドが合わさったものが全面的に出ている。
「パラレル」はPVにもなっておりインパクトが最もある曲。この曲からcaroline rocksにはまった人もいるのではないか。リフの凄まじさや高揚させる構成、「時の流れを止めて・・・」ここが一番、聴かせてくる。高音の破壊力が抜群に記憶に残す。
「pigrim」名前の意味は分からない。ピルグリム(巡礼者、放浪者)という言葉はあるが、それと関係はあるのか不明。イントロからロックで音も歌も荒れているような力強い放棄、投げやりを曲から感じる。
「リ」誰か知ってる人がいたら意味を教えてもらいたい。歌詞を読んでも結びつきが分からないのだ。曲もこの中でも個性的だと思う。人間の繰り返す葛藤を描いているのかな、と私は感じた。
「period」白昼夢の歌詞のように「あぁ今世界が終わるよ」と似たようなフレーズがあるが意図的なのかは分からない。ラストにかけて響くハイトーンボイスが盛り上がる。
「漂流」の歌詞で「現実が曖昧で見失いそう」とか全体的に現実での彷徨い、繰り返す日々、もがきを感じさせる曲。落ち着いた曲で歌詞もサウンドも聴きやすい。
「Tokyo ice age」はもう名前からかっこよすぎる。冷たくゆっくりと流れていくような構成でギターの音の冷たく奏でる感じが好き。その声と音で合わさった「最後の最後で君が僕に笑ってくれるから」がもう、心にくる。
www.youtube.com〜収録曲〜
パラレル
pigrim
リ
period
漂流
Tokyo ice age
公式記事:
『final despair』
3rdアルバム。テーマは絶望の先。最後の音源かつ最高傑作。とにもかくにもこれがヤバイ。最後にとんでもない作品を残してくれた。テーマの通り全て陰の曲である。変化として、まず音の幅が増えた。シンセサイザーや電子ドラムなどを盛り込み曲に合わせて使用している。何よりもギターがヤバい。caroline rocksのギター担当で、現在はCzecho No Republicのメンバーとして活動している砂川さんという人だ。この人の奏でる音のセンスが半端ない。加入して間もなく「MUSIC」という曲に参加しているが、砂川さんの奏でる音はキャロの面影を感じさせスパイスとして色をつけている。MVがあるので、検索して聴いてみると映像も含めて楽しい、、、脱線したので戻る。
「final tempest」曲を聴く分にはノリやすいダンスチューンだが、歌詞と音は明るさを感じさせない。歌詞はまさに震災を彷彿とさせる荒れ狂う世界を描いている。後半に出てきて強調される「いない」と「いたい」が絶望と希望を表しているように思える。
「guilty」霧雨、唇、鳥籠、細胞膜と白い空気とカーディガンと頭痛のときのように単語の羅列が出てくるが、意識したのかは分からない。アコースティック(たぶん)で鳴っているギターの音が歌と歌詞の雰囲気と合っていて好き。
「the circus of clowns」若干マーチっぽいドラムから始まりベースが重なっていく。嘲笑うようなギターの音が歌詞から滲み出るイカれ具合を表しているように聴こえる。極端にネジの外れた構成。
「calling name」シンセサイザーを使用している楽曲で、その音が不気味さと静寂をイメージさせる。ギターの纏わりつく感じがより雰囲気を醸しだしている。個人的には洗脳されそうな曲。
「a isolated flower」たぶんcaroline rocksの中で一番聴いていた曲。繰り返す言葉が孤独を感じさせる。ひたすらに繰り返す単調で無機質なベース、淡々とした電子ドラム独特の音、そして変幻自在に陰りを表現するギターのアレンジが色づけする独特な世界観は他のバンドにはないものである。
www.youtube.comwww.youtube.com〜収録曲〜
final tempest
guilty
the circus of clowns
calling name
a isolated flower
公式記事:
一通り書き終えた。4th DEMOも存在するが未取得で、収録曲が「白い空気とカーディガンと頭痛」と「白昼夢」の2曲。1stアルバムにも収録されているので、そちらからでも聴ける。(しかし、やはりデモverも聴いてみたい…)
1st、2nd、3rdアルバムに関しては公式記事が出てるので、それぞれにリンクを貼っているのでそちらも読んでほしい。
ここまで触れなかったが、やはり全てのジャケットがカッコイイ。とくに2ndアルバムはアートワーク、色合い、雰囲気がよく内容を表現している。盤面のデザインから歌詞カードのフォントまで全てに力が入っている。また、3rdアルバムは無機質な感じが全面的に出ており、陰りのある雰囲気を醸しだしている。3rd DEMOは右上の異質感のある目と涙があるとないとでは全然、印象が変わってくる。
〜追加記事〜
このcaroline rocksの記事を読んでいただいた方から、よければと4th DEMOの音源をいただけることになった。とても親切な方で本当に感謝してもしきれない程である。という事で聴いた感想を連ねるのである。また、4th DEMOの曲は1stアルバムに再収録されている。
『白い空気とカーディガンと頭痛』
〜収録曲〜
「白昼夢」何度も聴いてるとアルバムver.との細かな違いが感覚的に分かってくる。この時点で完成度は高いが、透く音色でいったらアルバムver.の方が貫いてテーマにも沿ってる気がする。デモver.もそれはそれで好きなのではあるが。
「白い空気とカーディガンと頭痛」まず、入りからの違いがあったのだと驚く。わずかな歌い方の違いやフレーズもそうだが、静から動に後半に駆け抜ける声と音がとくに印象的。アルバムの音しか知らなかった身としては新鮮な感覚になる。
最後に、caroline rocksに感謝を。