wonderland
バンド名:HaKU
解散済。HaKUはこれまでに多くの作品をリリースしているが、個人的に一番の異色に思えるのが『wonderland』の作品。今までのHaKUとはどこか違った、どこか歪みや捻れを感じるような挑戦的な音や詞を感じた。そういう意味ではHaKUの中で、純粋に振れ幅の激しいバラエティに富んだ作品だと思える。
〜収録曲〜
「ショウガイレンサ」”悲しみの連鎖を…止めてよ”と強烈な一文が悲痛にも輝く、そんな訴えるような歌詞が生き方を考えさせられる。人生に対して逃げ腰にならないような意思を。HaKUの曲の中では比較的シンプルな勢いあるサウンドだが、初見のインパクトはこの上ない。
「Everything But the Love」タイポグラフィを用いたスピード感のあるMVに惹きこまれていく。HaKUといえば、と言わせる程の音と詞を魅せつける完成度。聴くだけでは追えない言葉を辿ると、細かいこと抜きに貫けと激励されているような力強さ。序盤の静けさが畳み掛ける前の前奏のようで高ぶる。
「Defiance」意味は反抗。犬、餌、中毒そんな表現が直接的でクズとして蔑まれようとも失ってはいけない最後の意思。言葉の強烈さはあれど光を差し伸べる見放さない垣間見える優しさ。新鮮な雰囲気のグルーヴもねっとりと嫌らしさを残す、それが最高にたまらない。
「眠れぬ夜にライトをあてて」優しく穏やかに歌う声とは対照的に、どこか倦怠的なメロディが印象的。インタビュー記事にも吐露されていたが、ありのままの心情を綴る言葉に想像しやすい気持ち。人によって悩みがあるから没入しやすい。
「Somethin' Cold」危うさを感じさせる歌詞でクスリが足りないと、苦しいと。その快楽故の代償が通ずるとこのある現実。ロックチューンに攻めるサウンドに鋭く突き刺す歌。”覚悟はできてる?”と最後の言葉に引き返せるか。
「優しいモノと複雑なモノ」混じりけの一切ない透明な歌。凛と響く音と震えるような声がそっと包んでいく。ネガティブなようで今の幸せをかみしめて、と教えてくれるような詞。ここまで透き通った曲もHaKUの中にはない、こその新鮮さ。
↓インタビュー記事はこちら↓
↓HaKUの他の記事もよければ↓