線猫日記

音楽鑑賞と日常と感情

僕が望んだ白と黒の空

バンド名:シルバニアスリープ

1stアルバム。独特な詞の表現に思考が回る、その掴まなさが好きになる。00年代半ばのインディーズバンドのサウンドに懐かしさを覚え、どこか抽象的で理解や解釈とかで言い表せない言葉を綴る。以下、帯から抜粋「いつかみた夕暮れに似合う音は、こんなにも優しく激しい。」

「white light」MV

www.youtube.com

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『僕が望んだ白と黒の空』 2006年
~収録曲~
「the disliked seasons comes」嫌いな暑さの季節。伸びのあるギター、終始メインとしてリズミカルに鳴らす。どこか普遍で懐かしいサビのフレーズが気持ちいい。これまでを辿り、繰り返し、未来へ歩むだけ。"君のココロに絡めとられた真夏の匂い"の記憶。

「white light」思い浮かぶ一面の雪景色。感傷的な気持ちの中に答えは出ていて後は伝えるだけなのに。巡り巡ってその場所に戻ってきた、その意味を認めないといけないとき、、でいいのかな。淡々と鳴らし歌う構成が、当時のバンドらしさのよう。

「六月の海」再録音源。『regret e.p.』では荒々しく圧倒される迫力があったが、今回は全体的にはっきりと区切られるような聴きやすい音でまとめられている印象。

「TRIANGLE」程よいテンポで奏でる緩やかなメロディ。あの頃の思い出が靄がかかるように消えていく時の流れ。三角形も合言葉も幼いうたも聴き手の想像で膨らむ。

モノクローム」区切るように音を刻み、歌い切るはっきりとした強さ、一世代前を思い出すアニメオープニング的に刻むリズムの心地よさが響いていく。白黒の思い出にラムネ、サクラと彩る面影。終盤にかけてエモさが駆けていく

「(I think about) the platform girl」プラットフォームと少女、惹かれる彼女の見惚れる仕草に。サビでの変拍子のリズムに、不思議さと幻想感を描く詞が想像として魅せられる。"揺れる、消える、響く、残る、叫ぶ、届く"。

「ID」個人的に好きな曲。リズミカルに音と声を刻むテンポの早い構成。その中で2回挟まれる女性コーラスの一節の揺らぎ、カセットテープのような古さを感じる音質に絶妙なスロウが静かに刺さる。ここだけ異質に存在感を残す。

「ダイアリー」再録音源。比較するとコーラスの存在感の違いが特徴だが、演奏もより滑らかで研ぎ澄まされた雰囲気がある。『regret e.p.』が動なら、今回のは静のイメージ。

「strange」惹き込まれるイントロをかき鳴らすシンプルで爽やかなギター。背景を語らない黒く重さを感じさせる孤独、駆けるサウンドが現状を開き直るくらいがいいと押すようにも。

「I lost smile (you lost words)」哲学のような詞、ただ灰色の情景が漂うイメージだけが残る。私は笑顔を、あなたは言葉を失い、その意味を理解することを望みはしない歌なのか。

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