線猫日記

音楽鑑賞と日常と感情

NOWHERE

バンド名:The SCAT'

突如、14曲入りの配信アルバムをリリースした。自然消滅するのかなと半ば諦めていたので、知った途端に喜びと驚きが溢れた。個人的に無機質な感じがどこか洋楽を感じさせるアートワーク。洋楽通の友人曰く、ジャケットの絵は日本ならではだがセンスは欧州という感じで洋楽感もあるとのこと。個人的に以前と音楽の方向性が少し変化している気がする。UKやフォークのサウンドが全面的に出ており、意味深で掴みにくさのある詞に感覚で聴きたくなる。以下TuneCoreから抜粋「60s以降のUKロックやフォーク、ポップスへのリスペクトを随所に散りばめたバラエティに富んだ楽曲からなる。"NOWHERE"(どこでもない場所)へ続く音風景の旅。耳馴染みを大切にしながらも複雑なコーラスワークや奇を衒った楽器の音色や声を取り入れるなど、実験的なアプローチから楽曲の芸術性を高めている。」

『NOWHERE』ティーザー動画www.youtube.com

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『NOWHERE』
〜収録曲〜

「Ticket to nowhere」始まりがミュージカルのような華やかさと陽気なリズム。貴方自身のことを誰も知らないことに意味はない。アルバムの始まりを意識させ、どこでもない場所に誘うような。

「ロンドンガール」唯一の既曲。ユニークなMVが存在してたのに今は見れなくなっているのが残念でならない。

「小さな舟」ライブハウスで聴いてから音源化を待望していた曲。当時の昭和の洒落た空気を感じるような詞とメロディ。擬音、フルーツの香り、御伽噺のようなカオスチックな言葉のパレードに心が躍る。

「ワンズワース通り」ロンドン自治区の1つ。昭和フォークソングの雰囲気が強く、洋楽のソレにも近いのを感じる。歌い方のクセが強く理解しようとして聴くジャンルではなく、なんとなくなカオスを把握するような気持ち。

「America」何度も繰り返す『Go to America』のフレーズが刷り込まれるように記憶に残る。ドラムの音が響き野生的で感覚的な構成、ラフに聴きふけりたい曲。

「さんさら」怪しく光るベースの弾く音に、後ろから近づくような声を重ねる。背景の重い歌詞に"さんさらしゃらりらら"と独特な言葉が湿度のある空気を強調させるような。時折のコーラスが緩やかな癒し。

「Intermission」1分ちょいのアコースティックギターのインストミュージック。アルバムの雰囲気に合うような古さ。昔のテープのような雑音混じりの収録が昔のように思い出させる。

「Meaningless」英語詞の曲。つま弾くギターの始まりにレトロを感じさせ、不規則なリズムが気持ちがいい。全体的に卑屈で不安的な表現に耳がハマり"Na na na…"が中毒のように流れ続ける。

「Vanilla」イメージはドレスを纏った女性の颯爽とした姿。”Vanilla”や”Ophelia”に大きな意味など考えずに象徴みたいなものとして捉えて聴いている。間奏の壮大さに色気があり、彩る声達がクールに歌いきる。

「ファンファーレ」穏やかなサウンドで緩やかにメロディや歌の構成が変わりゆく。時折の金管楽器の音色が醸し出す音楽隊の雰囲気。だが綴る言葉は明るくは感じず、夜に包まり脆い心が救いを求めてるようにも。

「Never ending love」子供が喜びそうなリズムのよいメロディに、思わずダンスを思い浮かべるイメージ。終わることのない愛、それをそのまま歌うような陽気な詞。また、中盤での収録曲の一部を繋ぎ合わせたカオスチックな構成に驚かされる。

「Forget me not」直訳の他に”勿忘草”という意味がある。短い詩の歌にアコースティックの音色がポツポツと弾かれ、子守歌のような優しさがある。私たちは一緒だった、と冒頭の一文で悟ってしまう。

ノスタルジア」侘しいポツポツと弾くピアノの音色に広い空間に反響させるように静かに声を乗せる。どうしようもない感情、君のいない日々に締め付けるような憂いの歌が心に残る。厳かな空間の中でいくつもの静かな声に迫力を感じる。

ジルベール」外国で名として使われている語。歌詞から読み取れる背景はほんの一部で、あとは聴き手の想像や思考で補填していくだけのような。どんな情景、ストーリー、関係を考えるのが楽しくなる。柔らかいメロディに声の加工やコーラスのアレンジが光る。

↓歌詞、配信リンク↓

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