theater room
SAYONARA HATE TOWN
通称、嫌街。最近よく聴いているアーティストで『theater room』というアルバムを紹介する。初回盤だと3曲入りの弾き語り音源がついてくる。彼らにしか表現できない演奏に繊細な音色も重なって、壮大なサウンドと詞の世界に没入してしまう。ボーカルの歌唱力に時折のコーラスの美しさがより引き立てる。切り込むようなギターサウンドから衝動感が掻き立てられるよう。以下、紹介ページから抜粋「「自分の為の音楽を」を信条に内向的な精神を音楽にのせて一方的に投げつける男女混成4ピースオルタナティブロックバンド。ボーカロイド楽曲をはじめとするインターネット音楽と内向的なマインドの強いオルタナティブロックをバックボーンに、ポスト、マス、エモを踏襲した緻密な曲の上に切なくも力強いメロディを乗せた楽曲を構築している。」
『theater room』トレーラー映像
『theater room』
〜収録曲〜
「Todestrieb」トーデストリープ、細かく定義されているが意味は「死へ向かおうとする欲動」。疾走するように鳴らすバンドサウンドに、ダーク感のあるメロディや言葉の表現が印象的。満たされない、分からない、そういうものを複雑に歌っているよう。
「Blindness」失明、盲目という意味。激しく鳴らす演奏の勢いが止まらないまま駆けていくよう。鋭くかき鳴らすギターフレーズのインパクトが大きい。沈んでいくような雰囲気で、狂信者や放棄した思考を皮肉るような。
「Sadman's parade」定型に捉われないメロディ、解釈の複雑な歌詞にシャウト、エッジの効いたサウンドがカオスに表現しているよう。the cabsとどこか近さを感じる雰囲気の曲と詞。
「Lutto」調べるとそれらしい意味が出てくる。その意味を踏まえた上で聴くと、言葉の1つ1つから感じられる背景。どこか無機質さのあるようなサウンドでさりげなコーラスの美しさが魅せる。「忘れないでね?」「約束。」からの間、そのわずかなシーンが浮かんでくるよう。
「書斎」生活音、雨の音、ピアノ、ノイズといった様々な音の組み合わせの表現が歪で静かさのある空間をつくる。個人的に不穏な安らぎを感じるよう。この位置に置かれたのは前曲の余韻なのか、次曲の前奏のような立ち位置なのか、このアルバムを表現するためのバランスなのかは分からない。最後の衝撃が大きい。
「四月」季節と哀愁が映像として浮かんでくる。優しく繊細に音と言葉を紡ぐように表現しているよう。最後の「忘れない」の言葉が、これまでの詞を強烈に印象づける。以下、ボーカルのコメントを抜粋「四月は別れの象徴のような季節です。忘れることは美しいことで、決別することは勇ましいことだけど、この歌はちゃんと悲しかったってことを忘れないための歌です。この季節になる度に思い出せるように。ずっと忘れないでいられるように。」
「柩の船」男女のダブルボーカルとして歌っており、儚くも美しい掛け合いが聴き手に響かせる。幻想感を思わせる構成にメロディの柔らかさと壮大さを鳴らしているよう。流れや詞がなんとなく4~7曲の繋がりを感じさせるよう、個人的に。
「四月」MV
「Blindness」MV
↓『dramatic』の音源の記事もよければ↓
↓「四月」の配信リンク↓
価格:3,480円 |