妄想金魚
noiamというバンド。nose,eye,ear,mouthを凝縮した造語が由来。
現在、YouTubeでnoiamのベスト盤の音源が聴けるため、そちらからいくつかの収録曲を視聴できる。 『妄想金魚』は12曲入りのアルバムでnoiamのロック感の強い仕上がりになっている。この作品の前後に出している作品とは雰囲気が違い、聴き比べると分かりやすく違いを感じる。前衛的な構成のインパクトが強烈て、バラード曲もあるが全体的に泥臭いロック感と懐かしさを感じるような。以下タワレコから抜粋「勝手にしやがれのような昭和歌謡+ジャズな曲もあれば、60'sアメリカン・ポップ風ナンバーもあり、またギター・カッティングがシャープな疾走チューンもあり……と、幅のあるアレンジを繰り出すサウンドがエモーショナルな歌を表現力豊かに彩っている。“紫鯨”“妄想金魚”といったタイトルに象徴される、文学的とも言える詞世界も独特。」なにかしらMVとか出してほしかった。
『妄想金魚』
〜収録曲〜
M-1 : 紫鯨
1曲目らしいインパクトと厚く鳴らす音の強度がある。単調に鳴り続けるそれぞれの歪なフレーズに尖った歌い方が気持ちがいいくらいにクセになる。歌のインパクトが引っ張っていくような構成だが、演奏も派手に盛り上がっていく。詞の世界観も謎めいた深さがある。
M-2 : ロックミー
曲名のように盛り上がりのあるバンドサウンド。それぞれの楽器の音がよく目立ちながらも、歌も演奏も和を感じるようなロックサウンドを鳴らす。「ロックミー」と歌うシンプルさがよく合う。
M-3 : hayabusa
勢いがありギターフレーズが強烈だが、何気に安定している構成。テンポが早くライブだとまず盛り上がりそうな曲。サビの「揺れる頭の~」からの一気に抜けるように歌い駆ける軽さのある疾走感が最高にハイになる。
M-4 : たまに船に乗って
若干ポップ感も感じるノリのいい曲。気持ちのよいギターフレーズが航海を表現しているよう。晴れやかな歌詞に自然に揺れるようなリズムに引き寄せられるような感覚。
M-5 : chou-chou
ここで少し落ち着いた曲調に変わる。さりげないコーラスの存在にそれぞれに鳴らす音の優しい調和が美しく感じる。歌詞もキラキラとした一瞬や日常を表現しているように丁寧に歌う。最後にかけての緩やかな盛り上がりが楽しみに聴ける。
M-6 : 流れ星
弾くようなベースに派手さよりも要所で鳴らすギター音色に、サクッと奏でるようなフレーズがクセになりそう。程よいテンポに魅力的なメロディに、比較的淡々と歌う声にハマってしまう。
M-7 : Shot Gun!
ノリと勢いの曲のようで感覚で聴いてしまいたいダンスミュージック感。聴き方としてリズムにのる方が重要に思える。ボーカルの呼吸に合わせるように、ラップの合いの手が深みを出している。いろいろと聴きどころ満載。
M-8 : 妄想金魚
タイトルになっているアルバムでもインパクトのある曲。そのまま金魚を使った表現として歌い、歪なロックを鳴らしているよう。クセがなかなかに強い曲。
M-9 : 50cc
昔のコミックソングを思わせるような昭和ポップ感。そういう意味で懐かしさを感じる曲。メロディも内容も歌い方もそういう雰囲気のいい意味で大真面目にふざけているような感覚。
M-10 : SADISTIC FUZZ
出だしから最後まで破壊力のある構成。オートチューン感のある高めのボーカルにゴリゴリに鳴らす演奏がサディスティックな要素を出している。7曲目とベクトルは同じように感じるが、こっちの方が秩序はぶっ飛んでいる。
M-11 : せつないきもち
バラード代表曲。切ないアコースティックで弾くシンプルな音色に優しく歌をのせる。変に遠回しな表現でなくありのままに歌う気持ちがいい。終盤のメロディにのせるコーラスの美しさが魅せる。
M-12 : 200bpm
まっすぐで勢いあるバンドサウンドを鳴らすよう。歌詞の言葉に感情が揺れそうになり、抽象的に想像してしまう。序盤のギターフレーズがthe Adersの「tightrope」という曲を彷彿させる。
「Hayabusa」
ジャケットのフォントが不穏なのだがどうして。