線猫日記

音楽鑑賞と日常と感情

Sept.

Sept.というバンド。改名前はunder the 街灯という名前で活動していた。

たまにYouTubeで流したりしていたが、ついにCDを購入して聴き始めた。雰囲気はpollyやCatfood Salmonsに近いところはあるが、Sept.にしかない音を奏でている。面影はあるがunder the 街灯の頃はバンド演奏が強く、はっきりと地の声で歌っていたように感じる。セプトはそれぞれの曲で異なっているがどこか統一感のあるフレーズと音色が印象的。配信でも購入できるのでよければ聴いてみてほしい。

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『最終が過ぎても』1st demo ¥500

~収録曲~
1.最終が過ぎても

改名してからの最初の音源。歌詞の内容を読むと現実での憂いや葛藤が伝わるような。バランスのとれたら安定した曲調で、今のSept.になりつつある変化段階のバンドサウンドを感じる。「諦めたらそこで終わりなんて誰が言った 続けてることにだけ安寧を感じ 自由と言う名の鉄の檻で 移ろう景色も見飽きてしまったよ」このフレーズから伝わる空虚さ、それでも捨てきれないものがあると信じてる強さがある。

www.youtube.com


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『Alaska』2nd demo ¥1000

~収録曲~
1.Alaska
2.blue
3.farewell
4.この街で(LIVE at Sound Stream sakura 2019.07.04)
5.たとえば(LIVE at Sound Stream sakura 2019.09.05)

CD盤のみ4、5曲目はライブ音源が収録されており反響するような空間も聴こえるのがいい。全体的にダークサウンドを感じさせる収録曲。

「Alaska」シューゲイザーの雰囲気が強い曲。美しいボーカルの声に空間が広がろそうな演奏。集中して無心で聴くと深い水底に沈んでいる感覚になるような。生きる理由や原動力を求めて理想の世界を生きていけたら。

「blue」単調でダークなギターフレーズに淡々と語るように重く歌う。緩やかに流れるような音の中に負の美しさがある。行き場のないどうしようもない感情を抱えながら。

「farewell」曲の雰囲気はMelanche[n]tryというアーティストに少しだけ似てるところがある。比較的、柔らかで単調な曲で短い間奏が印象に残る。迷いと旅立ちと別れのような歌。

「この街で」この中だとバンドらしさのある爽やかな曲。演奏も歌い方もまだ明るさがありリズムに揺られそうな雰囲気。二人の過ごした日々を懐かしみ、それぞれの街で生きている。

「たとえば」自問自答、僕の君への想いを長く語り歌っているよう。淡々と一定のテンポで歌い続け自身の心情を吐き出している。演奏はかなり力が入っているように感じる。穏やかに鳴らしながら変わりゆくアレンジが聴いていて心地いい。

www.youtube.com


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『Nature Nature』1st mini Album (CD+DVD) ¥2000

~収録曲~
CD
1.non finito 2.sway away 3.bedroom 4.Sekai'19 5.role droll 6.No Choice 7.ka.e.ru

DVD「Studio Live vol.1 & vol2.」
1.non finito 2.sway away 3.role droll 4.Sekai'19 5.bedroom 6. No Choice 7.ka.e.ru 8.最終が過ぎても 9.この街で 10.Alaska 11.farewell

Dream PopとIndie Rockを掛け合わせた浮遊感のあるサウンドに抽象的な日本語詞が融合した7曲入りのミニアルバム。全体的に音の雰囲気が近いところがあり、それぞれに似た系統の違う色を奏でる。ちなみに歌詞カードはついていないが、TuneCoreのページから読むことができる。
1曲目はMVにもなっている代表曲で少し昔に流れていたような音を奏でる。優しい不透明な声とクリアで美しいコーラスが交互に歌われる。映像を観て聴いてしまえば分かってしまう懐かしさ。個人的には冷たい風が吹く曲。エモいと一言で言い表すには明らかに足りない。
2曲目はリズミカルに揺れてしまいそうなギターフレーズを中心に奏でる。穏やかな疾走感がある。「最終が過ぎても」の詞とどこかつながるような雰囲気を感じる。
3曲目もフレーズが少し似ている感じはある。歌詞だけ読むと駄目人間を表しているようだが、現代で不安を抱えて生きているすべてに刺さりそうな直接的なソレがある。
4曲目は滑らかに鳴らしている。このアルバムだと比較的目立たないかもしれない。自分も世界も同じものとして生きている、、そんな解釈でいいのか分からないけど、もう考えずに感覚で聴きたい。
5曲目はテンポが早めの盛り上がりのある軽めのサウンド。表面さえよければうまく世界はまわるからいいのだ、そんな風に思う人はいそうだけど誰かが気づいてあげないとあまりにも不憫でならない。そんな歌詞だけを読むとshepherdの「無敵のスーパーヒーロー」を思い出す。
6曲目は安らかに流れるような単調なメロディが心地よい。卑屈な自分を歌っているような後ろ向きな歌詞で後悔と航海とこうかいの使い方が好き。「どうにもならない」「あいつになれたらな」とか、皆どこかで思っているのだ。
7曲目はダークアンサンブルがClean Of Coreのイントロ感の雰囲気がある。相変わらずの美しいギターの音色を中心に世界観を彩る。宮沢賢治の詩をオマージュしたような詞が印象的。

「non finito」MV

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↓こちらから購入できるのでよければ↓

ttosdomestic.thebase.in

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『show-window (bedroom ver)』

2022年2月26日に配信リリースした音源。宅録の演奏もアートワークも新鮮さが滲み出る。主張のしない単調なメロディと声と灰色の詞、心のモヤモヤと孤独に歩くその姿が想像として浮かんでくる。独りを辿るのに、どうしても離れない君のことがつらい。今までと同じようで異なる雰囲気、聴いていると純粋に懐かしい気持ちになる感覚。

 

『Nature Nature』のDVDはスタジオ演奏映像がついているのが豪華、しかも一点固定ではなくしっかりと動かしながら撮られているので観てても飽きない。

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