月前の夢
postman
下北沢のライブハウスで演奏を聴いたことがある。そのバンドサウンドであるのに幻想感を鳴らす音とクセのある声がとても気に入りCDを購入した。3曲入りの音源、もはやトリプルA面シングルのレベル。しかし、廃盤なのがもったいないくらいの完成度。ジャケットの幻想感もこの作品をよく表している。声も音も魅せるような作品。
〜収録曲〜
「正夢」「Moongaze」「innocent」
「正夢」前奏を聴けば期待してしまう感覚。運命や奇跡を信じるような、途切れない想いの強さをキラキラと描いている。程よいテンポに緩やかに盛り上がるように聴かせる音を奏でている。3曲の中では一番バランスのとれた構成である。「Moongaze」個性の強いバンドサウンドが強く鳴らされ少しロック感が強い。サビがとくにヤバく、疾走感溢れる音をかき鳴らす。「痛み」「迷い」「恐怖」「痛み」を蹴散らすような背中を押してくれるような歌詞。後に出るアルバム『千天の慈雨』にも収録されている。「innocent」ポストマンの中で一番好きな曲。入りからのコーラスがとても綺麗でメロディの繊細さが哀愁を漂わせる。全体的に透き通るような柔らかい感覚。1つ1つのフレーズが耳に残る。「間違い探しをしないで 間違いだらけでいいでしょ」「魔法をかけられたフリをしていつまでも僕を愛して」こんなフレーズがいつまでも切なく響いてくる。今のメンバーで初めて完成させたのがこの曲で、バンドにとって大事な曲でもあるらしい。いつかベストアルバムを出す日が来たときに、再収録したいとインタビュー記事で話していた。
「正夢」MV
あのときよりも知名度がすごく上がっており、この音源を聴くとそれも納得してしまう。