線猫日記

音楽鑑賞と日常と感情

スターレット / メモリーズ

バンド名:DUTCHDADDY

ジャケットから感じられる懐かしい空気、収録曲もマッチしたカラフルなサウンド。現代のミュージックに聴き慣れてる人に聴いてほしいレトロさがある。個人的にPUFFYの空気を纏いながらロックを強くしたような感覚。以下、プロフィールから抜粋「ジャンルに捉われず、常にグッドミュージックを作り続けることを信条とした、女性ボーカルギターロックバンド。ダイレクトに響くボーカルとノスタルジックで親しみやすい楽曲。」

www.youtube.com

f:id:rvyfcloi57gdjm1:20220317190407j:image

スターレット/ メモリーズ』
〜収録曲〜
スターレット」00年代のミュージックを思わせる演奏やテンポ。歌うのは絶妙な距離感や繊細な気持ち、密かな想いを抱えている姿が想像に浮かんでくるよう。意識しっぱなしで自分の恰好や相手の特徴が気になってしまうクセが赤裸々に。スターレットの意味は小さな星。

「メモリーズ」しっとりと流れるギターメロディが沁みていき、迫力あるバラードの歌声が深く沈んでいくよう。思いを馳せるような歌い方が胸をざわつかせるようで、戻らないありふれた日々は確かに存在し心の中で生きている。最後のラララが哀愁をちらつかせるよう。

「Marguerite」マーガレット。急ぎ駆けるような単調なリズムにキラキラと歌声が輝く。また、サビのコーラスの応援するような勢いがあり加速する。感覚的に聴いていきたい曲で、自由さやありのままを真っ直ぐに伝わるものがたまに救ってくれるときがある。

↓こちらから購入できるのでよければ↓

dutchdaddy.theshop.jp

↓他の記事もよければ↓

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

iention

バンド名:sealf

ジャケットの雰囲気がREDOに似てると思い、視聴して惚れて購入。現在は活動をしていないが音源を1枚でもリリースしてくれたことが嬉しい。『iention』の意味は意向。一部タワレコから抜粋「どこかに忘れかけていた感情を思い出させてくれる歌詞世界とバンドサウンド

www.youtube.com

www.youtube.com

f:id:rvyfcloi57gdjm1:20220608234433j:image

『iention』
〜収録曲〜
「夜明け前に」このインディーズらしさが大好き。まっすぐ芯のある強い歌声に迫力あるバンドサウンドが振動させるよう。私のあなたへの離れない想い、夜が明ける前に思い出してしまうどうにもならない気持ち。忘れようとして、繰り返しては、離れないままで。

「黙れ」軽さのある早いメロディが流れる。思うようにいかない現実にヤケクソのように思える感情的な言葉を吐き出す。”黙れ”と分かってもらえないつらさから拒絶してしまう程の、生きることへのどうにもならなさがつらい。

「吸って吐いて」打って変わって優しくチクタクと奏でるようなメロディ。穏やかに流れる音の中に、ダークな雰囲気が混じりあい絶妙な不安をかきたてる。繰り返す”吸って吐いて”が個人的に煙草を意味してるように感じ、ボウッとした憂いの気持ちなのかなと。

「空白のピアス」インディーズバンドサウンドの主張しすぎないのが懐かしく好きになる。重なる女性コーラスが味を出しており、歌詞の”愛しい人”をさりげに意識させるようでいい。結末の分かっていても、簡単に受け入れられないのが人の性。

「エンドロール」気持ちのよい小さな迫力の演奏に思いを歌い乗せる。誰しもいつか来たる終わりを笑って迎えられるように生きているのだと。悔いのないエンドロールにできるように、早かれ遅かれその別れが訪れたときを受けいれて。

THE PiCNiC

バンド名:THE PiCNiC

NOVELSのボーカルの方が、かつて組んでいたバンド。昔、知人からCDを借りて音源だけ取り込んで聴いていた。実質NOVELSの初期の音源であるが、さりげなコーラスも含めアレンジが濃く廃盤で聴けないのがもったいないくらい。YouTubeの方に音源をまとめてあげたので興味のある方はぜひ聴いてみてほしい。

www.youtube.com

『LIKE TEENAGER』
~収録曲~
01- LIKE TEENAGER
古さを感じる音質の雑音ノイズから始まり、初期を感じさせるようなバンドサウンドの青さ。それがまたいいのであり、NOVELSを聴いている人なら感じる本質の変わらなさのようなものを聴いてほしい。まるでティーンエイジャーのように、捉われない生き方への切実な思い。

02- シナリオライター
アコースティックの音色も奏でつつ、他の音も時々重なっていく。間奏からの波のように揺れるまったりとした雰囲気に呑み込まれていくのが気持ちいい。日照りの現実、びしょ濡れのキャンバスにしても変わらない世界だけど、君のくれた言葉を信じていたい、と。

『YOUR TONE RESCUE』
~収録曲~
01-SHE'S A RAINBOW
一曲目から王道にカッコ良く演奏していき、サビからは何度もリピートしたくなる程に心を掴む。傷ついた君の手をひいて連れ出していく差し込む光のような。彼女は虹、のようだと触れられない存在として。忘れたとしても存在し続けるものとして。

02-ドラスティクボーイ
ドラスティクの意味を見ると、ロックな演奏のノリも歩みだすような詞も合っているように感じる。思い切り青春を走るような感覚が気持ちいい。抑えられない衝動が先走って駆けていくように、その勢いをバンドサウンドとして鳴らす爽快感。

03-COME BACK UNDER LINE
昔のロックを思わせるような気怠さと古さを鳴らすよう。ギターを中心とした繰り返しの単調なフレーズに淡々と声を重ね歌う。そんな歌も誰しもが抱える気持ちや、まっすぐな思いを伝えるよう。

04-君色空間トランジスタ
独特なタイトルも尖っているサウンドも印象的で、駆けていく音が歪みながら過ぎていく。サビの爽快さや間奏の強烈さが気持ちよく呑み込んでいく。未来よりも今を、君のことを、自分のことを、幸せを大事にできるように。

05-FAKE LOVE
雰囲気は3曲目と似ており、どこかUK感を思わせるようなメロディがある。英詞交じりに歌い、繰り返す前半と対照的に後半にかけて大胆な変拍子を盛り込んでいくのが面白い。終盤に畳み掛けるグッバイが示す偽りの愛。

06-シティソルジャー
今までの曲と比べると、やや普遍的に感じる穏やかな曲。背景に戦争や負の感情の重さが感じられ、クリアな日を望んで生きていくような。理想の自由でなくとも”君がいる”生活を過ごせたら。

↓こちらの記事もよければ↓

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

KICK BOOK

バンド名:NOVELS

それまでのベースとドラムが抜けてリリースした音源。この境で音の色を大きく取り入れ変わったのを感じる。ひとえにバラエティに富んでいると言い表すには足りない程の完成度。アルバムについてインタビュー記事などに細かく書かれているので、聴いた後に読むとより深く堪能できる。以下skream!から一部抜粋「ゴリゴリのエレクトロから爽やかなポップ・アンセム、さらにはラップまでをも組み込んだ、これまで以上に多様なサウンドが目白押し。さらには合わせ鏡のように存在するネガとポジをメロディに落とし込み、ハッピーとダークなNOVELSの両面が垣間見える。」

www.youtube.com

www.youtube.com

f:id:rvyfcloi57gdjm1:20220109091255j:image

『KICK BOOK』
~収録曲~
1. バタフライエフェクト:蝶の羽ばたき程のわずかな変化が未来に大きく影響をもたらすこと。迫力ある演奏に歪さと陰りを思わせる構成の中、絶妙な緩急さが色気を感じさせる。”君のその未来の欠片でありたい”と切実さが愛しい。

2. 東京メランコリック:メランコリックは憂鬱、憂愁の意味。ゆったりと流れるように聴かせるメロディに憂鬱な感情を乗せる。当たり前と違和感、誰しも違いや基準があって俯瞰している日常。シューゲイザーを思わせるギターフレーズが印象的。

3. 坂道をこえていけば:祝祭のような賑やかさや楽しさを感じさせるようなサウンドとさりげなカラフルな音色。”この坂道をこえていけば”と待っているものの希望やその過程の成長を伝えてくれるような。

4. ストレイシープの巡礼:オーディエンスが参加しやすいシンガロングが楽しさと一体感を生むよう。先の見えない人生に挫けないように、道を示してくれるようなソング。今、存在している奇跡に後悔しないような生き方を。

5. ヒカリノ旅人:クリアなバラードソングに語りかけるように優しい声が寄り添うよう。この先の道の扉に背中を押して導いてくれるように優しさを繋げるよう。旅立ちに握った光が飽和していけるような未来を。

6. 彼と彼女の幸福:歌詞を読んで気づけたら腑に落ちる彼と彼女の関係。ほっこりした生活に切なさも漂わせる。サウンドや歌の明るさに少しのポップさを感じ、ありふれた生活の日常の幸せが浮かんでくるよう。個人的に陽だまりの彼女の小説を思い出してしまった。

7. サーカス団に涙はいらない:ストリングスも含めたメロディにダークが滲み出る構成に、サビからのたたみかけるような勢いの爽快に間奏の歪さがサーカスの読めない雑技よう。人生とサーカスを重ねた表現も秀逸。個人的にcaroline rocksの「the circus of clowns」という曲とベクトルは似ている。

8. 死神ダンス:意表を突かれるダークサウンドのラップ調が中心で、7曲目に続く歪に思わせる低い音が雰囲気をよく表しているよう。個人的に聴いたときは、オルフェウスとエウリュディケーの物語がチラッと浮かんだ。リズミカルな構成と強い想いと最後の儚さが心に刺さる。

 

↓↓『KICK BOOK』のインタビュー記事↓↓

skream.jp

↓↓ボーカルの方の解説ブログ↓↓

ameblo.jp

↓↓NOVELSの他の記事もよければ↓↓

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

主人公

バンド名:Marry me

現在は改名し、oicasëとして活動している。Marry meの「ラヴソング」をMVで聴いて知った。純粋なインディーズサウンドが好きになってしまう。どの曲もストレートに綴る言葉も、高らかな声も、メロディも聴きやすく共感しやすい。

www.youtube.com

f:id:rvyfcloi57gdjm1:20220609135109j:image

『主人公』
〜収録曲〜
「ラヴソング」爽快に鳴らす勢いのあるサウンドと声、後悔も希望もキラキラと輝かせるような言葉が真正面に刺さるようで濁りのない詞に没入してしまう。君の存在に僕は救われ、怖くて、それでも変わらない芯を失わないように。

「起死回生」不安や言い訳の絶えない生き方にぶつかっていけと、いい加減に抗えと直球に歌いあげる。だとしてもゴリゴリの演奏ではなく、勢いある流れるようなメロディとサビの滑らかさが心地よい。

「She」生きることのすべてのようで、真髄のようなものを単純な言葉で残しているような。自分の歳だとどこか懐かしく、寂しく思えてしまうような。かき鳴らすサウンドだからこそ、純粋に色濃く印象に残るかもしれない。

「super wall」駆けるような加速する見えないものを描いたような。その安定した勢いに乗せて悩みながらも足を止めない日々を。個人的にスポーツアニメのopとかに使われるイメージ。

linkco.re

wonderland

バンド名:HaKU

解散済。HaKUはこれまでに多くの作品をリリースしているが、個人的に一番の異色に思えるのが『wonderland』の作品。今までのHaKUとはどこか違った、どこか歪みや捻れを感じるような挑戦的な音や詞を感じた。そういう意味ではHaKUの中で、純粋に振れ幅の激しいバラエティに富んだ作品だと思える。

www.youtube.com

www.youtube.com

f:id:rvyfcloi57gdjm1:20210426002719p:plain

wonderland

 

〜収録曲〜
「ショウガイレンサ」”悲しみの連鎖を…止めてよ”と強烈な一文が悲痛にも輝く、そんな訴えるような歌詞が生き方を考えさせられる。人生に対して逃げ腰にならないような意思を。HaKUの曲の中では比較的シンプルな勢いあるサウンドだが、初見のインパクトはこの上ない。

「Everything But the Love」タイポグラフィを用いたスピード感のあるMVに惹きこまれていく。HaKUといえば、と言わせる程の音と詞を魅せつける完成度。聴くだけでは追えない言葉を辿ると、細かいこと抜きに貫けと激励されているような力強さ。序盤の静けさが畳み掛ける前の前奏のようで高ぶる。

「Defiance」意味は反抗。犬、餌、中毒そんな表現が直接的でクズとして蔑まれようとも失ってはいけない最後の意思。言葉の強烈さはあれど光を差し伸べる見放さない垣間見える優しさ。新鮮な雰囲気のグルーヴもねっとりと嫌らしさを残す、それが最高にたまらない。

「眠れぬ夜にライトをあてて」優しく穏やかに歌う声とは対照的に、どこか倦怠的なメロディが印象的。インタビュー記事にも吐露されていたが、ありのままの心情を綴る言葉に想像しやすい気持ち。人によって悩みがあるから没入しやすい。

「Somethin' Cold」危うさを感じさせる歌詞でクスリが足りないと、苦しいと。その快楽故の代償が通ずるとこのある現実。ロックチューンに攻めるサウンドに鋭く突き刺す歌。”覚悟はできてる?”と最後の言葉に引き返せるか。

「優しいモノと複雑なモノ」混じりけの一切ない透明な歌。凛と響く音と震えるような声がそっと包んでいく。ネガティブなようで今の幸せをかみしめて、と教えてくれるような詞。ここまで透き通った曲もHaKUの中にはない、こその新鮮さ。

↓インタビュー記事はこちら↓

music.fanplus.co.jp

↓HaKUの他の記事もよければ↓

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

rvyfcloi57gdjm1.hatenablog.jp

FLEXIBLE

fox capture plan

タワレコ限定の音源。インストでピアノ、コントラバス、ドラムの音で構成されたアーティスト。計り知れない領域を奏でている。ジャケットのシンプルでいて収録曲の雰囲気と合うセンスがいい。以下タワレコから抜粋JABBERLOOPのピアニストとImmigrant's Bossa Bandのベーシスト、元nhhmbaseのドラマーによる強力トリオ。テンポ・チェンジを繰り返しながらドラマティックに展開するビョーク“Hyperballad”のカヴァーをはじめ、高い技術に裏付けられた〈FLEXIBLE〉な演奏が聴き手の昂揚感を掻き立ててくれる。洗練されつつも情熱的な新感覚のジャズ・ロックがここに。」

www.youtube.com

f:id:rvyfcloi57gdjm1:20211006134831j:image

『FLEXIBLE』 2012年10月10日
〜収録曲〜
1. Right Here,
序章のような1分ほどの曲。低めに重く流れるの途中に演奏にアルバムの始まりを導くように声が入る。終わりに迫るにつれて追い込まれるように圧迫されていく。
2. capture the Initial "F"
そのまま続くように奏でられる。テンポの早いピアノの音が衝動を駆り立て繰り返されるフレーズ。Fのイニシャルを主張するように印象を強く残す。
3. Flexible
聴くと分かるしなやかに流れる勾配の強めの曲。リズミカルに駆ける勢いのあるスピードに呑まれていく。脳内リピートされるピアノのフレーズの強烈さ。
4. 解放される逆光 
皮肉、妖艶、アンダー、そんなイメージが個人的に湧くメロディ。その怪しくも魅惑な音に心を掴まれてしまうみたいな感覚に虜になる。多彩な変化もじわじわと侵食されるよう。
5. Inflection
意味の一つに音調の変化、抑揚があるが、その繊細さが音色にも表れているような気がする。洒落た雰囲気を漂わせ、繰り返していくフレーズを変わらないままアレンジしていく。
6. Hyperballad (Bjork)
元はビョークの楽曲。だがしかしfox capture planの曲のようなアレンジで奏でる。花が咲くようにゆったりと、且つ強さを聴かせてくれる。徐々に強く変化する音に華麗さを思わせるよう。
7. R_Nc_M_T_N
1分25秒程の終幕を迎えるような音達が構成する高揚感。始まりと終わりになにかしら意味を感じるさせるのも『FLEXIBLE』の魅力の一つなのかもしれない。

www.youtube.com